IP電話なのに“クラスA”

モバビジ音声品質固定電話レベル

クラスA IP電話機との通話 アプリとの通話 内線通話 

NECネッツエスアイ株式会社
音声品質調査ご担当:鈴木 健 様インタビュー

これまでのIP電話は音質が悪い…というイメージがありました。しかし、モバビジはIP電話をベースとした「クラウドPBX」のビジネスフォンでありながら、音声品質に絶対的な自信を持っています。
では実際のところ、モバビジはどれくらい音がいいのか?
普段、IP電話や携帯電話、さらにはコールセンターで使用する電話などの音声品質調査を手がけていらっしゃるNECネッツエスアイ株式会社の鈴木様に、今回「音声品質調査」という専門的な調査を依頼しました。
果たしてその結果はいかに…?
調査直後のタイミングで行ったインタビューをお届けします。

音声品質調査とは?

「電話の音声の品質を、
専用装置を使って解析する調査です」

まず、音声品質調査とは何か、
基本的なところからお聞かせいただけますでしょうか?

音声品質調査というのは、スマートフォン、携帯電話、アナログ電話(固定電話)、IP電話といったさまざまな端末の音声を、専用の装置を使って解析し、その品質を数値化して示すものです。

専用の装置とはどのようなものですか?

こちらのVoicePinger(ボイスピンガー)というのがその装置です。小さな機械ですが、VoicePingerとIP電話などの端末をケーブルで接続し、通話状態にして測定、パソコンでその解析結果が見えるようになっています。

音声品質調査

何を測定するんでしょう?

主に『遅延』と『音声品質』ですね。
遅延というのは音声の遅れです。電話では『もしもし』という声を発して、その音声が相手側に届くときに必ず遅れが生じます。電話で遅れがあるととても話しにくくなるんですよ。最も遅延が少ないアナログ電話の場合で100〜110ms(ミリ秒)の遅延があると言われています。10分の1秒くらいですね。携帯電話で300msくらい、IP電話だと500msを超えることもあります。500msだと話していてかなり違和感があると思います。
一方の音声品質は、10数種類の項目で測定します。たとえばラウドネス(音量)という項目では、入力した音声の音量に対して出力される音量が適正かどうかを測ります。あとはたとえば音切れ。プツプツ音が切れて歯抜けになってしまうと聞こえにくくなります。音の波形がしっかりと出ているか、途中スポンと抜けていないかをチェックします。

それらを定量化して示す、ということですね。

そうです。具体的にはMOS値とR値というものを測定することになります。MOS値はPOLQA(ポルカ)という世界標準の規格をベースにした音声品質を測定するための値です。1〜5段階で5が最高点です。R値は遅延を含めてもう少し複雑にした『総合音声伝送品質率』と呼ばれる値です。こちらは100までの数値で表し、100に近いほどいい数字ということになります。

VoicePinger

音声品質測定端末VoicePingerとは

電話の通話における音声遅延測定と音声品質測定を行うための装置。固定電話機やスマートフォンなど、ケーブルを変えるだけでさまざまな端末と接続が可能。解析結果はパソコンのモニターに出力される。
回線だけでなく、端末内部での遅延なども含めた「エンド・エンド」の測定ができるため、ユーザーの体感に近い状態での音声品質を測ることができる。

※ VoicePingerは、GLEAN Corporationの製品です。

モバビジの音声品質調査結果

「内線電話同士、アナログ電話からの
外線電話はいずれもクラスAでした」

音声品質調査の結果はMOS値とR値で示されるわけですね。

ええ、さらにそれらの値をもとに、総務省が公開している通話品質測定に関するガイドラインに基づいて、クラスA、クラスB、クラスCというクラス分けをして提示させていただきます。ざっくり言うと、クラスAはアナログ電話の品質、クラスBは携帯電話の品質、クラスCはIP電話の品質です。

モバビジはベースがIP電話なので、クラスCであれば問題ない。

そうですね。IP電話の場合は、クラスCの条件を満たすことを目標に音声品質を確保しましょう、ということになっています。

では、モバビジの音声品質調査の結果がどうだったのかを教えてください。

はい。まずモバビジを使った内線電話同士での通話を測定させてもらいました。その結果、クラスAを満たす値が出ています。MOS値で4.2以上、R値で80以上の数字が主に出ています。これは非常に高い値です。アナログ電話並みの音声品質ですね。

IP電話でクラスAというのは珍しいんでしょうか?

他の業者さんのことはあまり細かくは言えませんが(笑)、正直、あまり見ない高い値ですね。今、R値で80以上と言いましたが、実際には90台も出ています。

ネットーワ構成図

最高値はどれくらい出たんでしょう?

最高で98ですね。端末によっても値が変わりますが、大体93、94くらいの値になっています。測定は端末ごとに6回測って、それぞれ平均値を出します。

なるほど。

次に外線についても測定しました。こちらはアナログ電話を使った外線電話と、携帯電話を使った外線電話という2パターンで測らせていただきました。結果、アナログ電話からかけた場合の外線電話は、これもクラスAでした。R値で概ね80を超えています。ということは、実際にお客様などがモバビジを使っている会社に電話をかけていらっしゃった際も、非常にいい音質で通話ができるだろうことが予測されます。

アナログ電話同士と変わらない感覚でしょうか。

変わらないと思われます。クラスCのIP電話同士だと、遅れが気になる、音が悪い、プツプツ切れるといったことが起きますが、クラスAではそういうことはほとんどありません。
それから次は携帯電話からの外線電話について測定しましたが、こちらは大体クラスBの値になりました

ただ、これは当たり前なんです。携帯電話がそもそもクラスBなので、その回線を使っていてクラスAが出ることは考えられません。携帯電話は電波の状態によっても音声品質が変わります。大手のキャリアさんの携帯電話同士で通話してもほとんどクラスB、あるいはクラスCになりますね。つまり、携帯電話からモバビジに電話をかけると、通常の携帯電話同士で話す程度、もしくはそれ以上の音声品質になると言えます。
総括すると、モバビジは非常に優れた音声品質であるという結果が得られたことになります。

よくわかりました。本日はありがとうございました。

なぜモバビジの通話品質は
優れているのか

答えは、モバビジではサービスが収容されているデータセンター網が、
NTTの「NGN網(次世代の電話回線網)」に直結
されているからです。

ネットーワ構成図

NGN網は電話回線網でありながら、IP通信網(インターネット網)としても活用できるのが特徴です。実際に「フレッツ光ネクスト」や「光コラボ」にはNGN網が利用されています。また、NTT東日本・NTT西日本のひかり電話もNGN網を利用しています。しかしながら、モバビジのようにクラウドPBXと接続した電話回線網として使っている例は、まだほとんどありません。一般的なIP電話サービスではインターネット網を通しているため、音声品質が劣化してしまいます。

フリービットはこれまでインターネットサービスプロバイダーとして事業を展開し、同時に全国のプロバイダー業者へNTTの回線を提供してきました。また格安SIMを販売するMVNO各社へも、ドコモの回線を使うためのインフラを提供しています。こうしたNTTとのつながりを活かして、データセンター網とNGN網を接続する仕組みを構築。他にない優れた通話品質を実現しているのです。

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